若い頃の浅丘ルリ子が演じた『執炎』(しゅうえん)きよのを山口百恵が
女優・浅丘ルリ子
おんとし * * 歳
今でこそ「叶姉妹のお母さん」によく間違えられるという浅丘ルリ子。
しかし実は浅丘ルリ子。
若い頃は大変な美女だったのだ。
そんな浅丘ルリ子が24歳の頃に、主演女優として映画『執炎』(しゅうえん)に出演した。
「執炎」
芥川賞候補になった加茂菖子の同名小説が原作。
そして、浅丘ルリ子100本出演記念作品でもあった。
戦争に召集された夫への独占欲が炎のように燃えたぎり、能面をつけて踊りまくる妻・きよの
やがて夫は戦死し、きよのは夫を追って海へ入っていく。
そんな女の炎のような執念を若き浅丘ルリ子が演じたのだ。
ちなみに夫・吉井拓治を演じた伊丹一三は後の伊丹十三。
『執炎』が描く悲恋は日本人の心を揺さぶる秀逸なストーリーであり、きよのを演じる浅丘ルリ子は完璧なまでに美しかった。
にもかかわらず、この映画はさほどヒットしなかった。
というか、そもそも『執炎』は吉永小百合主演の『うず潮』と同時上映されたサブ映画という位置づけだったのだ。
不完全燃焼だったと言わざるを得ない。
『執炎』から14年後の昭和53年12月。
『執炎』のリメイク映画が山口百恵・三浦友和のゴールデンコンビで復活することになった。
タイトルも変えて『炎の舞』
「炎の舞」
浅丘ルリ子・伊丹一三主演の『執炎』はサブ映画だったが、百友映画≠ニもなれば、当然メインの正月映画。
満を持してのリベンジなのだ。
百友映画も、もう9作目。
そして、久しぶりの文芸路線映画。
映画のヒットは火を見るより明らかであった。
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