山口百恵、松本清張の「霧の旗」でサスペンスに挑戦!
山口百恵・三浦友和ゴールデンカップルの映画第7弾が決まった。
今回の二人の映画はあのサスペンスの巨匠・松本清張原作の「霧の旗」だ。
「霧の旗」
百友映画といえば文芸純愛路線≠ェ定番であったが、前作の「泥だらけの純情」で一転して現代劇に挑戦。
そして、この「泥だらけの純情」が予想をはるかに上回るヒット作となった。
まだ山口百恵は18歳ではあったが、すでに大人の女を演じるに相応しい女優に成長していたのだ。
前作のヒットを受けて東宝映画は山口百恵に松本清張のサスペンスに挑戦させることを決めた。
山口百恵が演じるのはある弁護士への復讐に執念を燃やす女・柳田桐子
無実の罪で投獄された兄を救うべく東京の有名な弁護士に弁護人を依頼した桐子だったが、高額な弁護費用を払えなかったため依頼を受けてもらえなかった。
そのことを逆恨みして桐子は弁護士に復讐すべく仕事を捨て上京し銀座のホステスとして働きながら弁護士への復讐の機会を虎視眈々と狙うという役柄だ。
前回の「泥だらけの純情」もかなりのイメージチェンジではあったが、それでも百恵が演じた「真美」はお嬢様≠セった。
しかし、今回の百恵演じる「桐子」は悪女
完璧な汚れ役だ。
ドラマ「赤い絆」でも不良少女を演じた山口百恵であったが、今回のそれはレベルが違う。
なんと弁護士を貶めるために誘惑して体の関係までもってしまうのだから。
この映画の監督を務めた西河克己は
「山口百恵にこの役を演じさせるにはまだ早過ぎる・・・」
と考えていた。
しかし、百恵自身が「どうしてもやりたい」と希望して、この映画が実現したという。
すでに「横須賀ストーリー」をもって歌手としてはアイドルを脱却した山口百恵であった。
そして、
「女優としてもアイドル映画を卒業したい」
この時の百恵はそういう思いを強く抱いていたのであろう。
「肉体的には二十代でも精神的には三十代みたいな女の執念を表現する役って、とても不安だけど、歌にもいろいろなレパートリーがあるように、こういう役柄もあっていいんじゃないかしら」
この役を演じるにあたって、百恵はそう語っていたという。
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