山口百恵・三浦友和が現代劇「泥だらけの純情」に挑戦!
山口百恵・三浦友和のゴールデンコンビによる映画第6弾が1977年の東宝のお盆映画として公開されることが決まった。
「泥だらけの純情」
百恵・友和のコンビにとって初めての現代劇だ。
1962年に藤原審爾が発表した短篇小説が原作だ。
1963年に吉永小百合と浜田光夫の共演ですでに映画化されている。
百恵・友和によって2回目の「泥だらけの純情」の映画化だ。
この映画のテーマはチンピラ青年と富豪令嬢の純愛。
三浦友和演じるヤクザの高倉次郎が、山口百恵演じる外交官令嬢の樺島真美と偶然に出会い、許されない恋に落ちていくというストーリーだ。
山口百恵と三浦友和は映画の他にドラマでも何度も共演しており、息はぴったり。
撮影はスムーズにとりおこなわれていくものと思われていたが・・・
ところが、この映画のあるシーンの撮影で二人はとんでもない苦労をさせられることになる。
そのシーンとは、次郎(三浦友和)と真美(山口百恵)が街で偶然に再会するという場面の撮影だった。
現代劇なので、実際の街中で撮影は行われる。
とはいっても、日本とトップスターである山口百恵と、そしてゴールデンコンビを組む三浦友和。
東京の街の雑路でうかつに撮影などすれば、ファンが押し寄せ騒動になることは目に見えている。
そこで、撮影スタッフは新宿の地下駐車場に「作戦本部」を置き、混乱が起こらないよう慎重にタイミングを見計らいながら、短時間での撮影を計画していた。
しかし、いざ撮影を開始してみると・・・
予想をはるかに上回る早さと数でファンが百恵と友和を取り囲んだ。
それはまるで砂糖に群がる蟻の大群のごときであった。
予定はあっけなく変更となった。
一定の場所での撮影はとりやめ。
そして、とにかくファンに捕まらないように、百恵と友和が臨機応変に場所を移動し、そして二人をカメラマンと照明さんが追いかけながら撮影する移動ロケ≠ニいう変則的な方法でこのシーンが撮影された。
おかげで、このシーンだけでなんと半日を要することとなった。
そして当の山口百恵は
「どこをどう撮られたのかさっぱりわからない・・・」
と、口にしていたという。
まあそれはそうだろう。
こんなやり方の撮影は、映画史上で後にも先にもなかったであろうから。
ともあれ、「泥だらけの純情」は公開に向けて着々と撮影が進められていった。
「友和さんとのコンビの映画で現代劇は初めて。いい映画にしたいわ」
これが撮影中の百恵の口癖だった。
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