「春琴抄」のあらすじ

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「春琴抄」のあらすじ



舞台は明治初頭の大阪道修町。

 

薬種問屋で賑わうこの町の鵙屋(もずや)の次女お琴(山口百恵)がこの物語の主人公だ。

 

 

 

 

 

 

お琴は9歳の時に病気が原因となり失明した。
目が見えなくなったお琴は、琴の修行に励みだした。

 

 

 

お琴は美しい女性に成長していった。
しかし、一方で大変プライドが高く、我儘な女にもなっていた。

 

 

目が見えないお琴には身の回りの世話をする人間が必要だ。
しかし、女では、高圧的な態度をとるお琴の世話人は務まらない。

 

 

そこで、丁稚奉公の佐助(三浦友和)が任されることになった。

 

 

 

 

 

 

 

琴の名手となっていたお琴は、佐助に三味線の稽古をするように命じた。

 

佐助はお琴に言われるままに三味線の稽古に励んだ。

 

 

 

佐助の三味線の腕はみるみる上達していった。
しかし、お琴は佐助を認めなかった。
常に厳しく指導し、時には佐助の手を傷つけることすらあった。
それでも佐助はお琴の側を離れなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある時、大地震が大阪道修町を襲った。

 

 

 

 

襖や家具が倒れてくる。

 

 

 

 

 

目の見えないお琴は、揺れる鵙屋の中で手探りで逃げ惑っていた。

 

 

 

 

 

 

すぐさま佐助がお琴の側に駆け寄った。
佐助は身を挺してお琴の体を守った。

 

 

 

 

脅えたお琴は佐助にすがりついた。

 

 

 

「佐助、一生、離れんといて!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、佐助は片時もお琴の側に付き添うという生活が始まった。

 

 

 

紅を差すのも佐助。

 

 

 

 

 

爪を切るのも佐助。

 

 

 

 

 

そして、風呂上がりのお琴の体を拭くのも佐助。

 

 

 

 

 

 

 

 

ところが、お琴に大惨事が起こった。

 

 

美人であるお琴をものにしようとしたが袖にされた美濃屋の利太郎が、その腹いせに賊をさしむけ、就寝中のお琴の顔に熱湯をあびせたのだ。

 

 

お琴はうつぶせになり苦悶していた。
お琴の異変に気付きかけよった佐助。
しかし、お琴は佐助にこう叫んだ。

 

 

 

「見たらあかん、わての顔みたらあかん!」

 

 

 

 

お琴は火傷を負い醜くなってしまったその顔を佐助にだけは見られたくなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

やがて、火傷の治療が終わり、顔に巻いた包帯がとれる日が来た。

 

お琴は目に涙を浮かべながらこう言った。

 

 

 

 

「お前だけには、この顔を見せとうない・・・」

 

 

 

 

佐助は覚悟を決めた。

 

部屋から針を持ってきた佐助。
そして、その針を右目に刺し、続けざまに左目にも刺した。

 

 

 

激痛のあまり、声を漏らす佐助。

 

 

 

「佐助、どないしたんや!!」

 

 

「わて、針で目を突きました!!」

 

 

 

 

ともに光のない世界にいったお琴と佐助。

 

二人は涙を流しながら、かたく抱き合ったのだ。

 

 

 

 

 


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