「赤い運命」のあらすじ
昭和34年9月26日
この日、日本列島を震撼させた巨大な台風が発生した。
潮岬に上陸し、紀伊半島から東海地方を中心として、
ほぼ全国にわたって甚大な被害を及ぼした台風である。
中でも伊勢湾沿岸の愛知県・三重県の被害が特に甚大であった。
後にこの台風は「伊勢湾台風」と呼ばれるようになった。
そして、この「伊勢湾台風」はある一人の娘の運命を大きく狂わすこととなったのだ。
昭和34年夏9月
名古屋で一人の女の子が出生した。
女の子の名前は「吉野いづみ」
検事の吉野信人(宇津井健)とその妻・世津子(岸田今日子)との間に生まれた娘だ。
世津子は名古屋の実家に帰って、いわゆる里帰り出産≠していた。
そして、無事にいづみを生んだ後、夫の信人が待つ東京へと連れて帰る途中だった。
突如襲ってきた伊勢湾台風。
世津子といづみは行方不明となってしまった。
それから17年が経った。
未だに行方がわからない世津子といづみ。
二人の事を思わない日はなかった信人であったが、東京地検の検事として職務を執行する日々を送っていた。
妻・世津子は台風のショックで記憶を喪失し、「大竹由美子」として別の家庭を築いていた。
一方、 行方不明になった娘・いづみは、孤児として養護施設に預けられていた。そして、その施設で「若杉京子」という名前を与えられていた(この娘を演じたのが山口百恵)。
その後、「若杉京子」となったいづみは「実の父親」であるという島崎栄次(三國連太郎)に引き取られ、それからは「島崎直子」として生きていくことになる(何度も名前が変わってややこしい・・・というか可哀相)
ところが、この島崎栄次という男。
殺人の前科があるとんでもない凶暴な男だったのだ。
一方、いずみの父親である吉野信人(宇津井健)は、台風から17年後、若杉京子と同じ施設に預けられていた「いずみ」(施設では「青山圭子」と名付けられていた)とようやく再会でき、一緒に暮らせるようになった。
しかし、信人が再会した「いずみ」(秋野暢子)は本当のいずみではなく、なんと島崎栄次の娘だったのだ。
伊勢湾台風で父と離ればなれになった二人の娘。
それから17年後。
二人は取り違えられて別の父と暮らすことになったのだ。
それからの「島崎直子」(山口百恵)の運命はあまりにも苛酷なものであった。
根っからの野蛮者である島崎栄次から受け続ける粗暴な振舞いと先の見えない極貧生活。
しかし、それでもけなげに父を慕い、運命に耐えて生きる「直子」(山口百恵)。
一方で優しく経済力のある吉野信人のもとで裕福な暮らしをする「いずみ」(秋野暢子)。
記憶を取り戻して突然姿を現した世津子。
血のつながらない「いずみ」の兄・吉野俊介(南条豊)。
そして俊介との仲を嫉妬して「直子」をいじめる「いずみ」
俊介の実の父親を殺害した犯人として逮捕される島崎。
そんな島崎を実の父と信じて必死に庇い守ろうとする「直子」。
そのあまりにもドロドロとして、なおかつ予測不能なストーリーは「冬のソナタ」に代表される韓流ドラマの源流ともいわれている。
このドラマは先が読めないだけに、是非実際に見て頂きたい。
特に、山口百恵や宇津井健の存在感を打ち消すほどの三國連太郎の圧倒的な怪演は思わずその世界観に引き込まれていきます。
「赤い運命」
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