名プロデューサー酒井政利が青い性路線≠ノ転換!「青い果実」で山口百恵初ヒット

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名プロデューサー酒井政利が青い性路線≠ノ転換!「青い果実」で山口百恵初ヒット



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    「としごろ

 

 

 

千家和也作詞、都倉俊一作曲による山口百恵のデビュー曲「としごろ」は完全な空振り三振に終わった。

 

世間の注目は同時期にデビューし「赤い風船」で大ブレイクした浅田美代子に集中していたのだ。

 

 

浅田美代子の『赤い風船』に惨敗した山口百恵のデビュー曲『としごろ』

 

 

 

 

 

このままでは山口百恵は消えてしまう

 

 

 

 

 

 

CBSソニーの音楽プロデューサーである酒井政利は軌道修正を図るしかないと考えていた。

 

 

山口百恵には確かに清潔感はある。
しかし、アイドル歌手としての華やかさは浅田美代子や同じ「スター誕生」からデビューした桜田淳子には到底及ばない。

 

その中で山口百恵が歌手として生き残るためには正統派アイドルとは一線を画したスタイルを確立することが必要だったのだ。

 

 

酒井政利は作詞家の千家和也に一本の電話を入れた。

 

 

 

山口百恵の次回作の歌のタイトルは『青い果実』でいきましょう

 

 

 

千家和也は山口百恵の清純なイメージをそのまま反映させるように、デビュー曲「としごろ」を書いた。
「青い果実」という性路線の歌は、そのイメージとは全くかけ離れたものとなってしまう。
千家は躊躇した。
しかし、千家が最初に書いた「としごろ」は売れなかったのだ。
悩んだ挙句、千家は「青い果実」の歌詞を書くことにした。

 

 

 

 

あなたが望むなら、私何をされてもいいわ

 

 

 

 

今の時代ならば、この程度の性を仄めかす歌詞は珍しくもなんともないだろう。

 

しかし、その当時のアイドル歌手が歌う歌詞といえば

 

 

 

ようこそここっへ クックックック

 

 

 

 

 

 

 

おっかのう〜え ひっなげしのは〜なで〜

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時代に中学3年生の少女が「いけない娘だと噂されてもいい」と歌う。

 

眉間にしわを寄せ、ブラウン管を通して白い目で山口百恵を見る大人達。
山口百恵の私生活についてまであることないこと騒ぎ立てる男たち。

 

 

マスコミは面白おかしく山口百恵を取り上げた。
山口百恵の歌番組への出演機会は激増した。

 

 

山口百恵は一躍注目を浴びる歌手となったのだ。

 

 

しかし、それは好奇の目≠ナあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

デビュー曲が鳴かず飛ばずで終わっていた山口百恵は事務所で次回作の歌詞が書かれた白い紙を渡された。

 

 

こんな詩、歌うんですか・・・」

 

 

罪悪感にも似たものが私の意識の中で頭をもたげていたと、山口百恵はこの時の心情を自叙伝「蒼い時」で告白している。

 

 

 

 

 

 

     「青い果実

 

 

 

 

オリコン最高位18位。シングル総売り上げ15万9千枚。
「青い果実」はヒットした。

 

その後も「禁じられた遊び」「ひと夏の経験」と、青い性路線の曲がヒットし続けた。
並みいるアイドル歌手の中で、山口百恵は異色の存在感を放ち始めたのだ。

 

 

 

 

 

 

「17才」の南沙織

 

 

 

 

「木綿のハンカチーフ」の太田裕美

 

 

 

 

 

「裸足の季節」の松田聖子

 

 

 

 

 

「お嫁サンバ」の郷ひろみ

 

 

 

 

 

「微笑がえし」のキャンディーズ

 

 

 

 

 

 

酒井政利の手掛けた歌手は次々にヒットしていった。
演歌系が主流だった昭和40年代の日本歌謡界において、酒井政利はアイドル歌謡曲というジャンルを確立した人物だったのだ。

 

そして、山口百恵≠ニいう伝説の歌姫を生み出したのも酒井政利と言っていいだろう。

 

炎上商法ともとれる酒井の青い性§H線に、世間の人々は見事にはまり、山口百恵はスター歌手の一人として認知されるようになった。

 

 

 

 

 

 

だが、山口百恵は青い性を歌う少女≠ナ終わる歌手ではなかった。

 

やがて山口百恵は酒井政利の想像を遥かに超える大スターへと成長していくのだ。

 


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