「古都」のあらすじ
昭和55年12月20日
山口百恵の最後の主演映画が公開された。
映画のタイトルは「古都」
文豪川端康成原作の小説を映画化したものだ。
同年10月15日の引退で山口百恵を失ってしまった日本国民は挙って映画館に足を運んだ。
では、映画「古都」のストーリーを簡単に紹介しましょう。
「古都」
北山杉の職人の家に双子の姉妹が生まれた。
しかし、家は貧しく、また、「双子は育ちにくい」という迷信があったことから父は双子の姉を捨てた・・・
主人公の一人である佐田千重子。
千重子は京呉服問屋の佐田太吉郎と妻・しげの一人娘として何不自由なく育てられた。
だが、千重子は太吉郎としげの実の娘ではなかった。
千重子が中学生の時に、その事実を父母から知らされた。
ある日、千重子は北山杉の村に行った。
すると、そこで自分に瓜二つの村の娘に出会った。
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二人の娘はお互いの顔を見て、動揺した。
それからしばらくして、千重子は祇園祭の夜に、八坂神社にお詣りに行った。
千重子は、そこで、以前に北山杉で出会った自分にそっくりな娘と再会した。
娘の名前は苗子。
苗子は千重子の手を握ってこう言った。
「……あんた、姉さんや、神様のお引き合せどす」
苗子には幼い頃に生き別れた双子の姉がいた。
千重子と苗子は双子の姉妹だったのだ・・・。
千重子が捨てられた後、苗子は貧しい生活ではあったが、父と母と3人で暮らしていた。
しかし、やがて父は杉から落ちて死んだ。
そして、母も病気で亡くなってしまった。
父と母を失った苗子は北山杉の持ち主の元で働きながら生きていくことになった。
一方、父に捨てられた姉の千重子は裕福な京呉服問屋に拾われて幸せな生活を送っていた。
生き別れた姉妹が再会した。
しかし、二人の境遇はあまりにもかけ離れたものであった。
千重子と苗子はしばしば二人で会うようになった。
しかし、姉の幸せな生活を壊してはいけないと気遣う苗子は、人目を憚って千重子と会うようにしていた。
やがて千重子は苗子のことを呉服問屋の両親に打ち明けた。
千重子の父と母は苗子を家に迎え入れ、一緒に暮らそうと言った。
しかし、苗子は姉千重子の迷惑になることを恐れた。
ある夜。
苗子は千重子の家に招かれた。
そして二人きりで一夜を過ごした。
それは苗子にとって、そして千重子にとっても、今生最上の喜びであった。
千重子は苗子に言った。
「ずっと側に居て欲しい」
しかし、苗子は千重子と共に生きる道を選ぶことはできなかった。
苗子は千重子のものと離れて、山へ帰っていった。
そして、二人が再び会うことはなかった・・・
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